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ICPのガバナンス 2024: Part 1 — ハイライト

  • 執筆者の写真: ICP Japan
    ICP Japan
  • 1月7日
  • 読了時間: 4分


この記事は「Governance on ICP in 2024: Part 1 — Highlights」を引用翻訳しています。


2024年が終了し、インターネットコンピュータ(ICP)のガバナンスに関する昨年の重要な出来事を振り返り、2025年に向けた今後の展望を共有します。

この3部構成のシリーズでは、以下の内容を紹介します。

  • Part 1: 2024年のガバナンス全体のハイライト(本記事)

  • Part 2: SNS DAO(Service Nervous System)に関する進展

  • Part 3: NNS DAO(Network Nervous System)に関するアップデート

まずは、2024年にICPのDAOコミュニティが達成した主要な成果を振り返ります。


2024年の振り返り: ICPガバナンスの飛躍的進化

2024年は、ICPのオンチェーンガバナンスにとって画期的な年となりました。ICPは、コミュニティからの要望を反映した多くの新機能を実装 し、ガバナンスシステムの機能拡張を実現しました。

また、ガバナンス活動の活発さも記録的な水準に達し、DeFi Llamaの「直近30日間に最も多くの提案を成功させたトップ20のDAO」のうち18がICP上で運用されている という事実が、ICP DAOコミュニティの活発さを物語っています。


さらに、2024年の終わりには、ガバナンスロードマップの「Plasmaマイルストーン」が完了 しました。このマイルストーンでは、ユーザー向け機能の強化 と 開発者向けのエクスペリエンス改善 が含まれていました。次回のシリーズでは、2024年に導入された最も注目すべきガバナンス機能のハイライトを詳しく紹介します。


NNS DAO: ICPネットワークの統治

NNS(Network Nervous System) は、ICPを統治する完全オンチェーンの分散型自律組織(DAO) であり、従来のブロックチェーンがフォークを通じてプロトコルを更新するのとは異なり、ICPのコードはNNSを通じて更新される 仕組みとなっています。

NNSでは、ICPトークン保有者が提案に投票し、セキュリティ、効率性、スケーラビリティの向上を実現 しながら進化を続けています。

NNSは、2021年5月10日のICPのローンチ以来、11,800件以上の提案を処理 しており、これらの提案には以下のような重要な意思決定が含まれます。

  • ICPプロトコルのアップグレード(効率性・セキュリティ向上)

  • ネットワーク管理(ノードマシンの更新・追加)

  • NNS自体の進化(トークノミクスや投票ルールの変更)


年間の提案数を見ると、2022年から2023年にかけて減少していますが、これは多くのタスクが自動化され、手動での提案が不要になったため です。この自動化は、ガバナンスの効率化に大きく貢献しています。


SNS DAO: ICP上のDappガバナンスの進化

SNS(Service Nervous System) は、Dappのガバナンスをコミュニティに移譲する完全オンチェーンのDAOフレームワーク です。Dapp開発者は、SNSのローンチ後は、プロジェクトに対して直接変更を加えることができず、すべてのアップデートはトークン保有者の投票を経て決定 されます。


2024年はSNS DAOの飛躍的な成長が見られました。

  • SNSの数が14から30に倍増

  • SNS DAOによる提案処理数が前年比513%増

最もアクティブなSNS DAO:

  1. WaterNeuron: ICPベースのリキッドステーキングプロトコル。NNSの提案をコピーし、自動投票するメカニズムを実装。

  2. OpenChat & OpenFPL: ソーシャルメディア系DappのSNS DAO。

  3. ICLighthouse & ICPSwap: DEX(分散型取引所)のSNS DAO。

SNSの各DAOの詳細データは、ICPダッシュボードで確認できます。


SNSの最大の目的は、Dappのガバナンスを分散化すること です。SNSのローンチには**「分散化スワップ(Decentralization Swap)」** が含まれ、これによりコミュニティメンバーはICPと引き換えにSNSガバナンストークンを取得 し、DAOの意思決定に参加できるようになります。

2024年はSNSにとって過去最大の年となり、

  • 新たにローンチされたSNSが合計3,800万ドル(約10M ICP)以上を調達

  • SNSを通じた資金調達が、プロジェクトの継続的な開発を支援しました。


まとめ

分散型ガバナンスは、インターネットコンピュータの中核 であり、ICPプロトコルのセキュリティと信頼性 を担保する要素です。NNS DAOとSNS DAOの進化によって、ICPのガバナンスはより強固なものとなりました。

2024年の主な成果:

  • NNS DAO: ICPネットワーク全体の効率化・分散化の進展

  • SNS DAO: Dappガバナンスの分散化促進、SNSの数が2倍に増加

  • ガバナンス提案の処理数: SNSでは513%増加、NNSでは自動化による効率化

2025年も、ICPガバナンスはさらなる進化を遂げることが予想されます。次回は、SNS DAOの進展と改善点を深掘り していきます。





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