Omnity、Runesのクロスチェーントランスファー機能を導入

この記事は「Omnity Introduces Cross-Chain Transfer Functionality For Runes」を引用翻訳しています。

メインネットローンチからわずか10日後、ビットコインで代替可能なトークンを発行する新しいプロトコル「Runes」が、Omnityによる統合を受けて新しいネットワークへの展開に向けて動き出しています。

2024年4月29日に発表されたOmnityは、インターネットコンピュータープロトコル（ICP）を基盤にした「オムニチェーン相互運用プロトコル」であり、Runesと統合されました。Omnityは、「任意のLayer 1、Layer 2、またはアプリケーションチェーン」とビットコインネットワークを接続する技術スタックとして自らを説明しており、この統合によりユーザーはRunesを新しいネットワークに移行できるようになります。

Omnityは、「OmnityはRunesの相互運用性をサポートする初のプロトコルです」と述べました。「ICPのオンチェーンビットコイン統合は、Wrapped BTCを中央集権的なブリッジサービスに頼らずにビットコインにスマートコントラクト機能を持ち込むことができるため、ビットコインネットワークを詰まらせず、取引手数料を上げずにDeFiやDAppの開発に新たな可能性を開きます」とも述べています。

Omnityは、ユーザーがネットワーク間でRunesを移動したいときに「ツイントークン」を発行することでクロスチェーンでのRunes転送を可能にします。ツイントークンは、インターネットコンピューターのICRC-2標準とChain Fusion Technologyを利用しており、ユーザーがICPからビットコインに読み書きできるようにします。

Runesの爆発的な成長 

Runesは、2024年4月20日のメインネットローンチを祝し、3月にビットコインOrdinalsエコシステムで以前アクティブだった9万人以上のウォレットにRunestonesをエアドロップしました。

Runesは、2023年9月にOrdinalsの発案者であるCasey Rodarmorによって提案され、2023年初頭にOrdinalsが登場し、ビットコインブロックチェーン上でNFTのような資産を作成する方法を提供しました。匿名の開発者Domoは、その後、Ordinalsを利用して代替可能なトークンを作成するBRC-20トークン標準を発表しました。

BRC-20トークンは急速に人気を集めましたが、データ集約型であり、ビットコインのメモプールの混雑を引き起こし、取引手数料を上げることに対する批判も集めました。

Runesは、BRC-20に関連する非効率性を解決し、資産データの保存とインデックス作成を簡素化し、ビットコインのLightning Network（Layer 2ネットワーク）との互換性を導入し、「ホモモルフィックバインディング」をビットコインの未使用取引出力（UTXO）に導入することで改善を試みました。

Omnityは、Runesを「ビットコインでネイティブに動作するトークン標準であり、BRC-20のような『ジャンク』UTXOを排除します」と説明しています。これにより、Runesはビットコインネットワークでの役割がイーサリアムのERC-20トークンに類似したものになるとしています。

しかし、Runesは現在、ビットコインで取引量の主要な源となっており、ネットワーク上で高額な取引手数料を引き起こしています。 Runesがローンチした4月20日、ビットコインの平均取引手数料は過去最高の128.45ドルに急増しました。

Omnityは、その統合により、ビットコインネットワークの混雑を解消し、ICPに取引をオフロードすることでビットコインの効率化を図ると述べています。

ウェブ3でのインスクリプションの広がり 

この統合は、2023年末に新しいLayer 1およびLayer 2ネットワークにOrdinalsインスクリプションプロトコルが導入され、複数のチェーンで取引スループットが史上最高に達した後に行われました。

インスクリプションプロトコルは、Nearで4,500%、Polygonで6,900%、Fantomで8,990%の取引スループット向上をもたらし、Arbitrum、ZkSync Era、MantleなどのLayer 2ネットワークで過去最高のアクティビティが記録されました。

しかし、1月末にはほとんどのネットワークでインスクリプション活動が急減し、パーティーは早々に終息しました。