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執筆者の写真ICP Japan

パネルディスカッションレポート:Nasdaqにおけるブロックチェーンの未来~Dominic Williams(DFINITY)&Olaf Carlson-Wee(Polychain)~


2018年7月7日、Nasdaqで開催されたパネルディスカッションにて、DFINITYの創設者Dominic Williams氏とPolychainの創業者Olaf Carlson-Wee氏が、ブロックチェーン技術の現状と未来について熱く語りました。このイベントは、Nasdaqの革新への取り組みと、ブロックチェーンが金融業界やテクノロジー分野に与える影響を探る貴重な機会となりました。本記事では、パネルディスカッションの主要なポイントを振り返ります。



Dominic Williams of DFINITY & Olaf Carlson-Wee of Polychain, Panel Discussion at Nasdaq 2018/07/07



Nasdaqのブロックチェーンへの取り組み

イベントは、Nasdaqの副会長Bruce Austin氏による開会の挨拶から始まりました。彼は、Nasdaqが自らの運営やプライベートマーケットでブロックチェーン技術を実験・導入していることを紹介。特に、プライベート証券発行の記録管理や、株主投票、プロキシ割り当てなどの分野でブロックチェーンの利点が強調されました。


ブロックチェーンの定義と可能性

Dominic Williams氏はブロックチェーンについて、「単一の障害点や管理組織を持たない分散ネットワークを構築する仕組み」と定義しました。彼は、ビットコインやイーサリアム、そして自らのプロジェクトであるDFINITYなど、さまざまなブロックチェーンの事例を挙げ、それぞれが提供するユニークなサービスと可能性を語りました。


クリプトと金融の進化

Olaf Carlson-Wee氏は、仮想通貨の進化について述べ、単なる価値の保存手段を超えて、高度な金融契約やデジタル資産の取引、分散型オプション・デリバティブなど、次の段階の金融アプリケーションが急速に発展していることを強調しました。これにより、ブロックチェーンは支払い手段を超え、多様な金融サービスの基盤となると語りました。


DFINITYとインターネットコンピュータ

Dominic Williams氏は、DFINITYプロジェクトについて詳しく紹介しました。DFINITYは、インターネットコンピュータと称される新たな計算プラットフォームを構築中であり、従来の技術スタックに代わる選択肢を提供します。このプラットフォームは、コスト効率が高く、セキュリティが強化され、データのプライバシーを保護しながら、ビジネスシステムの開発・運用を可能にします。さらに、独立した自律型ソフトウェアを支える仕組みとして、オープンで相互運用可能なサービスのエコシステムを目指しています。


自律型ソフトウェアとDAO(分散型自律組織)

パネルでは、自律型ソフトウェアの概念にも触れられました。これは、特定の個人や組織に依存せず、経済的な仕組みによって独立して運営されるソフトウェアです。スマートコントラクトやトークンを活用することで、DAOと呼ばれる分散型自律組織が実現され、既存の企業ガバナンスを革新する可能性が示唆されました。


トークンの役割とエコシステム

Olaf Carlson-Wee氏は、トークンがネットワークにおけるインセンティブメカニズムとして機能する点を解説しました。トークンは、セキュリティ確保やファイルストレージ、パケットルーティング、計算資源の提供など、さまざまな価値交換を促進します。この仕組みにより、合理的な経済主体が協力して従来の枠を超えた新しいエコシステムが生まれます。


規制と将来展望

パネル終盤では、規制の役割についても議論されました。規制は悪質な行為を抑止しながらも、新たな資本形成を妨げないバランスが求められると指摘されました。将来に向けて、ブロックチェーン技術はさらに進化し、互換性のあるウェブサービス間でのデータや資産の自由な移動が実現する可能性が示唆されました。これにより、現在では想像もつかないような革新的なサービスやビジネスモデルが誕生するだろうという期待が表明されました。


まとめ

このパネルディスカッションは、ブロックチェーン技術の可能性とその未来について深い洞察を与える場となりました。DFINITYとPolychainのリーダーたちの洞察は、技術革新がどのように金融業界やビジネスの新しい潮流を生み出すかを示しています。これからも急速に進化するこの分野において、ブロックチェーンが私たちの生活や産業をどのように変革していくのか、目が離せません。



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