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2024年のICPガバナンス:パート1 ― ハイライト

  • 執筆者の写真: ICP Japan
    ICP Japan
  • 5月1日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月8日

2024年を締めくくるにあたり、私たちは昨年の主なハイライトをコミュニティと振り返るとともに、2025年にインターネットコンピュータ上でのガバナンスに関して予定されているいくつかの注目点を共有したいと思います。

この3部構成のシリーズでは、ICP全体を統治するNNS DAOと、個別のdappを統治するSNS DAOの双方に関するガバナンスの基本原則、技術的な主要成果、およびテクノロジーロードマップの進捗を紹介していきます。

まずは、2024年にICP上のDAOコミュニティが達成した主要な成果を振り返ります。

2024年を振り返って:ICPガバナンスにとって記念すべき一年


2024年は、インターネットコンピュータ(ICP)におけるオンチェーン・ガバナンスにとって刺激的な一年でした。ICPには年間を通じて多数のガバナンス機能が追加されており、その多くはコミュニティからの要望によるものです。機能が拡張されただけでなく、ICPのガバナンスシステムは、堅牢さと活発なコミュニティおよび開発者の活動を示す記録的な成果を挙げました。その証拠に、DeFi Llama上で直近30日間の成功した提案数に基づき上位20位にランクインしているDAOのうち18個が、インターネットコンピュータ上で稼働しています。


年末には、ICPのガバナンス・ロードマップにおいて「Plasmaマイルストーン」も完了しました。これは、ユーザー向け機能や開発者体験の向上など、広範な機能をカバーするものでした。2024年にリリースされた注目すべきガバナンス機能のハイライトは、このシリーズの
次回以降の記事で紹介します。

インターネットコンピュータの統治(NNS)


Network Nervous System(NNS)は、インターネットコンピュータプロトコルを統治する完全オンチェーンの分散型自律組織(DAO)です。多くの従来型ブロックチェーンがフォークによってコードを更新するのに対し、ICPではNNSによってプロトコルコードが更新されます。NNSでの意思決定は、分散されたICPトークン保有者のコミュニティによって行われます。そのため、ICPは特定の個人や団体に依存することなく、安全性、効率性、スケーラビリティの面で進化することができます。

NNSは、2021年5月10日のICPのGenesis以来、11,800件以上の提案を処理してきました。これらの提案は、プロトコルの効率性と安全性を向上させるアップグレード、どのノードマシン上でプロトコルが動作するかの継続的な更新、トークノミクスや投票ルールの更新によるNNS DAOそのものの進化などを目的としています。

NNSは長年にわたり、安定して多くの提案を処理してきました。2022年から2023年にかけて提案数が減少したのは、いくつかのタスクが完全に自動化され、手動による提案が必要なくなったためです。


インターネットコンピュータ上のdappの統治(SNS)


Service Nervous System(SNS)は、あらゆる分散型アプリケーション(dapp)がその運営をSNSガバナンストークン保有者のコミュニティに移管できる、完全オンチェーンのDAOフレームワークです。これにより、それぞれのdappコミュニティが独自のSNS DAOを通じてアプリを統治できるようになります。一度コミュニティに制御を委譲した後は、開発者が勝手にアップデートを適用することはできず、トークン保有者による投票を経た提案が必要になります。

2024年は、SNSによって提出および処理された提案数が大幅に増加しました。SNSの数自体は前年の14から約2倍の30に増えましたが、DAOによって処理された提案の数は、2024年に513%もの増加を記録しました。最も活発だったSNS DAOはWaterNeuronで、これはICPベースのリキッドステーキングプロトコルであり、NNSの提案を自動でコピー&投票する仕組みをプロトコルに組み込んでいます。WaterNeuronに続いて、最も活発だったのはソーシャルメディア系dapp(OpenChatやOpenFPL)であり、それにDEX(ICLighthouseやICPSwap)が続きました。より詳細なデータはICP Dashboardで各SNSごとに確認できます。
SNSの主目的は、dappのガバナンスの分散化です。SNSの立ち上げには「分散化スワップ」が含まれ、これによりコミュニティやdappのユーザーは、ICPと引き換えにSNSガバナンストークンを入手し、SNS DAOの一員となることができます。分散化スワップは、多くのコミュニティにとってSNSローンチ後の継続開発に必要な資金を提供しました。2024年はSNSにとって過去最大の年となり、累計で1,000万ICP以上、総額3,800万ドル以上の資金調達を実現しました。

まとめ


分散型ガバナンスはインターネットコンピュータの核心にあります。それはICPプロトコルそのものの安全性と信頼性を支えると同時に、その上で稼働するDAO運営のdappにも不可欠なものです。Genesis以来、年を追うごとにその進化は加速しており、2025年もまた、ICPにおけるガバナンスにとってエキサイティングな一年となることがすでに予感されています。

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